ごあいさつ

本研究室は,有機分子の集積によって構成されている分子性伝導体を中心に研究を進めています.分子で構成されている有機物質の特徴は“やわらかい”ことです.この特長から,近年,有機ELデバイスなどの軽量で“曲がる”エレクトロニクス材料として注目されています.当研究室では,このような分子性有機物質の基礎的物性(金属-超伝導-絶縁体)の解明,新物性の開拓を目指しています.

分子性有機物質は,無機物質と比べて“やわらかく”大きく広がった分子軌道や電荷の分布,また分子自身の持つ構造自由度などのために,電荷-スピン-分子格子-分子内結合の間にゆるやかで大きな自由度を有しています.このナノ分子サイズの“やわらかい”複合的自由度と強く関係している超伝導から絶縁体までの多彩な電子状態がバルクな物性として現れます.このような分子性物質の特長をフルに活かして,電子物性物理の重要で興味ある問題にチャレンジしています.


有機超伝導体k-(BEDT-TTF)2Cu[N(CN)2]Br(左) 導電性高分子PEDOT:PSS(右)

卒業研究(学部4年生),大学院希望の方へ

2025年度大学院入学試験(一般入試2024年8月実施)と外部自己推薦入試(2024年4-6月)は終了しました.2026年度入学者については2025年3−4月頃にお知らせします.
詳細は理学研究科物理学専攻大学院入試案内ページ(こちら)

*2025年5月上旬に大学院入試説明会が行われます.当研究室の資料はこちらかDLできます.

当研究室は,本学理学部物理学科(4年生),理学研究科物理学専攻(修士,博士課程)の協力講座(物性実験I 分子物性物理)になっています.また,自己推薦制度を利用することで,物理以外の分野の方も私たちのグループに参加できます.研究内容に興味を持っていただいた方は,ぜひ見学,相談(進学,研究)にお越しください.他学部や他大学(編入学)の方も歓迎いたします.(あらかじめ佐々木まで見学日時など相談ください.連絡先:お問い合わせメンバーページ参照)

液体窒素,液体ヘリウム利用のための安全教育

金研で液体寒剤(液体窒素,液体ヘリウム)を共同利用も含めて使用する場合には,安全教育を受けなければなりません.年1回の利用者講習のほかwebを使用したe-learningを受講してください.
e-learningコースへのリンク

最新情報&更新情報 (過去の情報はこちら))

2024.8.17 金研低温グループ研究会&大同窓会2024が行われました.開催の様子はこちら

2024.3.4 佐々木研助教の杉浦栞理さんが有機超伝導体の磁場中物性に関する研究で第34回トーキン科学技術賞財団奨励賞を受賞しました.おめでとうございます.佐々木研の助教さんで3人目です.

2023.5.6 低温物質科学実験室(極低温科学研究センター)の野島勉先生の還暦をお祝いする会を開きました.詳しくはイベントページをご覧ください.

2023.4.7 佐々木研元助教の橋本顕一郎氏(現東京大学大学院新領域創成科学研究科准教授)が令和5年度科学技術分野の文部科学大臣表彰(若手科学者賞)を受賞しました.おめでとうございます.
プレスリリースはこちら

2022.12.28 CROSS 松浦直人副主任研究員,東京電機大学 中准教授,ドイツグループらとの国際共同研究による分子性有機物質の非弾性中性子散乱による量子スピン液体候補物質における格子励起の観測に関する論文がPhys. Rev. Research誌に掲載になりました.論文はこちら.プレスリリースはこちら

2022.3.16 古川哲也助教が日本物理学会若手奨励賞(領域7)を受賞いたしました.おめでとうございます(授賞式の様子:イベント).

2021.3.18 東京大学大学院新領域創成科学研究科橋本顕一郎准教授(元佐々木研助教)らとの共同研究による配位高分子での超伝導に関する論文がScience Advances誌に掲載になりました.論文はこちら.プレスリリースはこちら

2021.3.2 佐々木研元助教の伊藤桂介さんが佐々木研在籍時に行っていた導電性高分子に関する研究で第31回トーキン科学技術賞財団奨励賞を受賞しました.おめでとうございます.詳細はこちら((株)トーキン HP)

2020.9.29 ICC-IMRの客員教授としても来所して共同研究を行ったゲーテ大学フランクフルトのJ. Mueller教授との強相関電子系分子性導体のノイズスペクトロスコピーの論文がPhys. Rev. B誌のRapid Communicationとして掲載になりました.論文はこちら

2020.8.18 東北大学理学研究科岩井伸一郎教授らとの共同研究による有機超伝導体への極短パルス光照射による超伝導ゆらぎが増強する第2高調波発生の観測に関する論文がNature Communications誌に掲載になりました.論文はこちら.プレスリリースはこちら

2020.5.9 理学研究科物理学専攻大学院入試説明会(オンライン)が行われます(5月9日).研究室の説明資料はこちらからDLしてください.

2019.10.3 10月1日付で杉浦栞理助教が物質材料研究機構から着任しました.これからの活躍を期待します.

2019.9.2 9月1日付で古川哲也助教が東京理科大学から着任しました.これからの活躍を期待します.

2019.7.10 CROSS 松浦直人副主任研究員,ドイツグループらとの国際共同研究による分子性有機物質の非弾性中性子散乱による電子誘電性と結合した格子励起の観測に関する論文がPhys. Rev. Lett.誌に掲載になりました.論文はこちら.プレスリリースはこちら

2019.3.15 橋本顕一郎助教が日本物理学会若手奨励賞(領域7)を受賞いたしました.おめでとうございます(授賞式の様子:イベント).

2019.3.4 橋本顕一郎助教がトーキン科学技術賞を受賞いたしました.おめでとうございます(授賞式の様子:イベント).

2018.6.26 東北大理物 岩井伸一郎教授らとの共同研究による有機超伝導体に光パルスを照射した瞬間に光が増幅(誘導放出)される現象の発見に関する論文がNature Photonics誌に掲載になりました.論文はこちら.プレスリリースはこちら

2017.11.28 東大物性研下澤助教,山下准教授,上田助教,森教授らと橋本助教らによる共同研究による電子とプロトンの連動による新しい量子液体状態に関する論文がNature Communications誌に掲載になりました.論文はこちら.プレスリリースはこちら

2017.10.19 2017年12月4−6日に金研WS「多自由度・多階層性が協奏する物質材料システムの科学」を開催します.詳細はこちら プログラム(171117版 2017.10.2 新しいメンバー(インドネシアからM1(IGPAS) Muhammad Khalish Nuryadin君,谷垣研からB4齋藤嘉彦君が加わりました.詳細はメンバー

2017.9.28 佐々木智君(2016年度博士修了),橋本助教らによる分子性電荷秩序物質の電荷ガラス状態に関する論文がScience誌に掲載になりました.論文はこちら.プレスリリースはこちら

2017.9.8 小林亮太君(D2),橋本助教らよる分子ダイマー化強度の違いによるダイマーモット絶縁体と電荷秩序絶縁体の変遷についての論文がPhys. Rev. Bに出版されました.論文はこちら(APS).

2016.9.18 小林亮太君(D1)が日本物理学会領域7優秀ポスター賞を受賞しました.(授賞式の様子).

2016.7.1 橋本顕一郎助教が原田研究奨励賞を受賞しました(授賞式の様子).